近年、女性が様々なシーンで、第一線で活躍する場が増えています。
20代30代と仕事に集中してこられた女性方も、結婚などを機にライフスタイルを変え、
子供にとっての生活環境を考え自然豊かな湘南、鎌倉、横浜界隈に移り住む方も多いと聞きます。
そんな時代背景をうけて、高齢で初産を迎える方も年々増えています。
高齢出産には様々なリスクがあるのは周知の事実ですが、当然ながら分娩の喜びに変わりはありません。
2013年9月の開院以降、ここ矢内原医院の特徴の一つとして上げられるのが、出産平均年齢が高いことにあります。
矢内原ウィメンズクリニックや他院での不妊治療を経て、当院で分娩されたママさん達が多くいらっしゃいますし、
そういった実績からも、高齢で自然妊娠された方への指導やケアも得意としています。
不安が大きいと言われる高齢出産ですが、正しい知識を身につけ、然るべき高次医療機関への連携を取りつつ、
心と体の準備をして、満足のいくお産になるよう指導・サポートしてまいります。
川から海へ航海する船に例えるなら、船をいかに座礁しないように大海に導くことが出来るかが我々の仕事と考えます。岸にぶつかりそうなら(例:陣痛が弱いなら)、ぶつからないように誘導する(例:陣痛を強くする薬を使う)。
医学的な介入は、十分な説明の上、最小限にかつ有効に行ってまいります。
※ご希望の方は事前にお知らせ下さい。
周産期センターを備える病院と連携をとり、速やかに対応をしてまいります。
分娩時に胎児の状態が悪化する可能性が予想される場合は、新生児科(小児科)医師の立ち合いによる計画分娩を行う事があります。分娩直後の児の状態を、いち早く判断し、適切に対応するために必要な処置です。
胎児または母体に危険な状態、分娩の進行における不具合により、できるだけ早い分娩が望まれる場合があります。児と母体の状態により行われる手段が異なります。経膣分娩が不可能と判断された場合は、緊急帝王切開術が行われます。経膣分娩が可能と判断する場合は、吸引分娩、鉗子分娩が行われます。(帝王切開よりも迅速に分娩にすることが出来る。)吸引分娩は吸引カップというゴム製のカップを児頭に装着し、陰圧をかけて引っ張り出す方法です。鉗子分娩とは、鉗子という器具をやはり児頭に装着し、人の力で引っ張り出す方法です。どちらの方法も100%安全な方法ではなく、場合によっては児の血腫や、母体の膣の傷などが大きくなってしまう可能性があります。
経膣分娩(普通分娩)では胎児または母体に危険な状態と判断される場合に行われます。
(例えば、薬を使っても陣痛が強くならない、胎児の状態が悪く早く分娩しなくてはならないのに、児の位置が高く経膣分娩ができない、胎盤の問題、前回帝王切開など。)
帝王切開は決して安全な分娩方法ではありません。母体にとっては術後の合併症も含め死亡率も経膣分娩よりも10倍高いとの報告もあります。
当院の分娩について、もう少し細かいご案内はこちらでご覧いただけます
「当院のお産について(PDF)」
分娩件数
分娩時年齢別グラフ
当院はその特性上から高齢妊娠、不妊治療後の妊婦さまが多くいらっしゃいます。
分娩される方の50%は35歳以上、10%は40歳以上、また体外受精後は30%になります。
この数字は開業医では見られない数字だと思います。
これまで数多くの分娩に立ち会わせて頂き、以下のように分かってきた事もあります。
体外受精妊娠は
これまで当院でお産された2000人の方を対象に産後出血の程度を分析してきました。産後出血は平均として500ml以内ですが、なかには出血量が800ml以上の多量出血の経過をたどる妊婦さまがおります。
その方々を後方的に検討したところ、
1.児の体重が3040g以上 (1.5倍高い)
2.体外受精での妊娠 (2.7倍高い)
この2点が、多量出血における単独の要因としてあがってきました。
(*Yanaihara et.al. J Obst Gynecol. 2018)
体外受精児は自然妊娠よりも児の発育が大きくなることが分かっています(原因は不明です)。児が大きいと分娩時の陣痛が弱かったり、子宮の戻りが悪く出血量が増えたりします。
分娩時の出血が多いと母体の命にも関わる事があり、早急な対応が必要となります。
また、胎盤にも寿命があり、妊娠41週になると胎盤の機能が落ちて赤ちゃんの調子が悪くなる傾向にあります。そのため通例においては予定日(妊娠40週)まで自然に陣痛が来ることを待ち、もし予定日までに分娩に至らない場合は、陣痛を起こす薬(陣痛促進剤)を使い分娩に至るようにします(分娩誘発)。
分娩時医療介入の可能性を低くすることを目的に、予定日前後で分娩誘発をし、分娩後の出血を減らす努力をしています。
対象:体外受精で妊娠し、妊娠38週の時点で児の推定体重が3000g以上の方
この試みにより分娩後の多量出血、緊急搬送の件数は大幅に減っており有効な手段と判断しています。 この分娩誘発における前提として、子宮の入り口が柔らかくなっていない事があります(頸管熟化)。つまり、頸管熟化に数日を要することがある為、その分、入院期間が長くなる可能性があります。この点も併せてご理解いただきますようお願い致します。 勿論、これは選択肢の1つですので、担当医と相談して分娩方針を決めていきましょう。
スケジュールと検査
血液型・血算・不規則抗体・HBV・HCV・HIV・梅毒・風疹・ATLV(成人T細胞白血病ウィルス)・血糖・(トキソプラズマ抗体は希望にて)
膣分泌物培養検査+心電図
血液検査(血算・生化)
急患についてのみ、時間外でも対応いたします。
出血や腹痛など急を要する症状がありましたら、必ずお電話にてご相談ください。
0467-44-1188
※夜間、休日は状況によりすぐに電話に出られない場合もございます
ご連絡をいただく際、下記についてお知らせください。
① 氏名(フルネーム)時間外受診でご来院の際は正面入り口左側のインターホンを押してください。
看護担当者が対応いたします。
お産をサポートする助産師チームが、妊娠中から妊娠経過を一緒に見ていきます。
下記の妊娠週数での実施を予定しておりますが、それ以外の時期でも不安に思うことや聞きたいことがある方はご相談ください。なお、状況により実施週数が前後したり時間が長引く場合があります。
妊娠前期の生活・食事・体重指導
骨盤ケア教室のご案内
前期母親学級のご案内
妊娠中期の生活・食事・体重指導
分娩時に必要な書類の配布
後期母親学級のご案内
妊娠後期の生活・食事・体重指導
分娩時に必要な書類の配布
乳房チェック
心電図
分娩へ向けてのお話し(皆さんのバースプランを見ながらのお話し)
胎児精密超音波検査は、超音波診断装置を使用して赤ちゃん(胎児)の発育を見たり、赤ちゃんの形態的な異常、胎盤・へその緒の異常がないか調べることにより、生まれる前と生まれた後の赤ちゃんの管理・治療を適切に行うことを目的にしています。検査に約20分程かかります。
注意)
①赤ちゃんの向き、お母さんの体型(肥満)、胎動、羊水量によっては、診断率が悪くなるためすべて確認できない場合があります。
②胎児超音波スクリーニングを行っても、産まれてくる赤ちゃんのすべての異常を診断できるわけではありません。
※インターネットからは予約ができません。受付・お電話でご予約をお取りください。
※別途 基本健診の費用がかかります
通常のエコーは、断面(2D)を見ているのに対して、4Dエコーは立体像(3D)をみることができます。現在、その3Dがリアルタイムに動く映像まで見られるようになったため、時間のファクターもいれ、4Dエコーと呼ばれています。
妊娠中からのお腹の中の赤ちゃんとの視覚的なふれあいは、出産直後からの赤ちゃんへの愛情に対してよい影響を及ぼすと考えております。当院ではUSBメモリで保存しお渡ししています。
※赤ちゃんの向きによって撮れない場合もございます。予めご了承ください。
※ご家族等同伴は1名様までとし、また他の患者様のプライバシー保護の観点から、途中の退室や他の方と交代などはご遠慮いただいております。
参考 :当院の超音波診断装置について
母体血液中の4つのたんぱく質を検査し、染色体異常(ダウン症)の可能性を数値化する検査です。妊娠15週以降に行い、検査結果までおおよそ2週間。リスクは少ないですが、0%という結果は得られずあくまで確率を求める検査です。
母体腹部より穿刺し羊水を採取、羊水中に浮遊する胎児細胞を用いて胎児の染色体を検査する。妊娠15週以降に行い、検査結果までおおよそ2週間。検査結果は正確でありますが、1/300の確率で流産することが報告されています。
子の出生の喜びをご夫婦・ご家族で分かち合いたいと希望される方には、分娩時の立ち会いを認めております。但し、トラブルなく子の出生を迎えて頂くために立ち会い分娩の要件を決めております。詳しくは看護部まで早めにご相談下さい。
一般的に、臍帯(へその緒)は患者様へお渡しする分以外は分娩後に破棄されますが、その中には血液が残っており、幹細胞と呼ばれる万能細胞が豊富に含まれています。近年その細胞はさまざまな病気の治療に応用されるようになりました。お子さん、場合によってはお子さんのご兄弟の将来的な病気に対して有効な治療法につながる可能性があります。詳しくは専門業者にお問い合わせ下さい。
早期母子接触とはいわゆるカンガルーケアのことで、新生児の出生直後に分娩室で実施される、母子の皮膚接触をいいます。
期待される効果として
こうした効果を期待して、当院でも早期母子接触を実施しています。出産後1~2時間を目安に、赤ちゃんの酸素飽和度を測定しながらママと一緒に寝てもらい(母子同床)、触れ合い話しかけながら赤ちゃん誕生の喜びを全身で感じてほしいと願っています。
また、早期母子接触実施の有無にかかわらず、新生児蘇生法の研修を受けたスタッフが突然の赤ちゃんの急変に備えております。早期母子接触も安全に行えるよう、赤ちゃんの状態を十分に観察しながら実施させていただきます。
分娩が立て込んだ場合など、赤ちゃんの観察が困難な場合は早期母子接触をお断りする場合がございますので予めご了承ください。
先天性代謝異常症とは、生まれつき特定の酵素が欠損していたりして、代謝の働きが阻害されているため起きる症状です。生まれた時は健康に見えても適切な処置、対応をとらないと身体障害、発達障害を起こすことがあります。これらの病気は早期発見し対応をすることにより未然に防ぐことができます。
検査方法 生後数日のお子さんの血液を採取し検査を行っております。
赤ちゃんが元気に成長するために、現在様々な病気を早期に発見し治療を行うことが出来るようになっています。当院でも、聞こえの検査(新生児聴覚検査)を実施しており、精密機器でABR(音が聞こえたときに出る脳波の一種)の検査を行っております。
聴覚に障害があることが分かった場合には、早くから適切な援助を行うことによりお子さまのことばの発達を促すことが出来ます。
また、厚生労働省は2016年3月に「全ての新生児に聴覚検査を実施することが重要」との母子保健課長通知を発行しました。特に重度感音性難聴の早期発見、早期治療は新生児にとって非常に重要であるといえるでしょう。
下記リンク先に一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会が公式ホームページで掲載している説明資料がありますのでご参考にご一読ください。
新生児聴覚スクリーニングから1歳頃までの聴覚検査の流れ[PDF]
新生児聴覚スクリーニングの説明資料[PDF]
当院では退院されてから卒乳までの母乳育児をお手伝いしています。乳房のケアや困ったこと、悩み事などございましたら、まずは電話でご連絡・ご予約の上、来院ください。
原則当院で出産された方
(当院で妊婦健診を行い他院で出産された方も状況により受診可能です。まずは電話でご相談下さい。)
完全予約制となります。受付にて直接、もしくはお電話にて日時をご確認の上、ご予約ください。
※トラブルの場合は初期の対応が重要です。早めにご連絡ください。
¥3500/H 以後30分毎+¥1750円
※乳腺炎等の保険診療の場合は薬代・初診・再診料・処方箋料が別途かかります。
退院後もママと赤ちゃんをサポートします!
我が家に帰って赤ちゃんとの新しい生活がスタートしても、誰かに相談できると安心ですよね。入院中は困った事・悩み事があればすぐにスタッフに聞くことが出来ますが、自宅に帰るとなかなかそうはいきません。
ある調査では、一般的に産後2週間目(退院後1週間)の時期にママの精神状態が最も不安定になるという結果もあるそうです。そのため、当院ではママの悩みや困った事・赤ちゃんの健やかな成長をサポートするために産後2週間健診を行っています。
※経産婦さんは必要ないかも?と思われがちですが、兄弟姉妹お顔が似ていても赤ちゃんは一人ずつ違います。
お兄ちゃん・お姉ちゃんがいながらの育児、また新たな悩み・不安が出てくるかと思います。
ぜひ2週間健診を活用して下さい!
※当院で妊婦健診を行い他院で出産された方も状況により受診可能です。まずは電話でご相談下さい。
お母さんの体調チェック
母乳・育児相談
赤ちゃんの体重・黄疸・おへそチェック
7000円
※助成を受けられる市町村があります。 退院時にご案内いたします。
※乳腺炎等の保険診療の場合は薬代・処方箋料が別途かかります。
退院後の1ヶ月健診を母子ともに、月曜午後当院にて行っております。
小児科・井上真理先生が担当いたします。
退院時に看護部より詳細をご案内いたします。
当院での里帰り分娩をご希望の方は胎児心拍確認後、お電話にて分娩予約をお取りください。(ご予約についてのお電話は9:00~17:00内にてお願いいたします)
そのうえで20週頃までに紹介状と母子手帳を持参しご来院ください。
尚、診察は完全予約制ですので、ご来院前に分娩予約とは別に診察予約をお取りください。
※立ち会い分娩を希望される方は30週以降にご夫婦での後期マザークラス受講をお願いしております。
注意事項
1. 分娩先が鎌倉市内もしくは同等の近隣医療機関の場合は不可とさせていただきます。
2. 妊婦健診においては日曜日午前でもご受診いただけますが、